スギ舌下免疫療法(ブログ)

アレルゲン免疫療法とは、アレルギー疾患の原因である「アレルゲン」を少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を治したり、長期にわたって症状をおさえる可能性のある治療法です。
現在のところ、スギダニに対する舌下免疫療法が開発されています。

服用開始前に、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎確定診断する必要があります。
スギの場合、スギ花粉が飛散している時期は、新たに舌下免疫療法を開始することはできません(ダニに対しての治療は、いつからでも開始できます)。
治療開始後はアレルギー症状の有無にかかわらず、毎日、3~5年にわたり継続して服用する必要があります。

スギ花粉症に対する治療薬は、現在のところ2014年10月に販売開始されたシダトレン液だけです。
液体なので冷蔵保存をしなければならないのがネックです。
また少量から徐々に増やす期間が2週間で、増量方法は小刻みです。
3週間目以降は2,000JAU/mLの舌下療法を続けます。

しかし、きたる6月29日(金)、錠剤のシダキュア錠が販売開始される予定です。
錠剤ですので冷蔵保存の必要はありません
まず最初の1週間は少ない量(2,000JAU)の錠剤を舌下し、2週間目から多い量(5,000JAU)の錠剤に切り替えて継続するので、増量方法がザックリして簡単です。
シダキュア錠の維持量(5,000JAU)はシダトレン液維持量(2,000JAU)より多く、高い有効性が期待できると言われています。
今後、シダトレン液よりシダキュア錠の方が普及すると予想されています。
ただし、発売から1年間は2週間分しか処方できません

上記のようにご説明したところ、ある方から、「スギ花粉症が辛いので、ぜひすぐに治療を始めたい。けれど2週間毎に通院するのが難しいので、まず最初の1年間は液体で、2年目から錠剤に切り替えたい」と言われました。
もちろん、ご希望通りの治療ができます。
当院では、新たにスギ舌下免疫療法を開始する方には、6月から12月までの期間に治療を開始いたします。

その他の主な注意点は下記の通りです。
●当院での治療対象年齢:中学1年生以上~64歳以下
●アナフィラキシーなど、重篤な副作用につき十分ご理解いただける方に限ります。
最初の1回めの投薬はクリニックで行い、その後30分間クリニックで経過を見させて頂きます。
●治療中は、月1回は受診していただきます。
すべての方に効果が期待できるわけではないことをご了解いただきます。