咳喘息(ブログ)
咳喘息について、日本呼吸器学会の咳嗽に関するガイドライン第2版 42~46ページから抜粋してまとめます。
定義は、喘鳴や呼吸困難を伴わない慢性咳嗽が唯一の症状、呼吸機能ほぼ正常、気道過敏性軽度亢進、気管支拡張薬が有効で定義される喘息の亜型(咳だけを症状とする喘息)です。
診断基準
以下の1.〜2.の全てを満たす
1.喘鳴を伴わない咳嗽が8週間(3週間)以上持続。聴診上もwheezeを認めない
2.気管支拡張薬(β刺激薬またはテオフィリン製剤)が有効
参考所見
1)末梢血・喀痰好酸球増多、呼気中NO濃度高値を認めることがある(特に後2者は有用)
2)気道過敏性が亢進している
3)咳症状にはしばしば季節性や日差があり、夜間〜早朝優位のことが多い
治療は、吸入ステロイド薬(ICS)が中心です。
必要に応じて長時間作用性 β2 刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、徐放性テオフィリン製剤を併用します。
吸入ステロイド薬を中心とする治療で大多数の症例で咳嗽は速やかに軽快します。
治療開始後短期間で症状が軽快、消失した患者にいつまで治療を続けるべきかについてのエビデンスはありません。
しかし、咳喘息をしっかり治療しないと、3人に1人という頻度で典型的な喘息に移行してしまいます。
しかも、その移行は発症の1年目に多いといわれていますので、初診の方に対しては、できれば1年、少なくとも一冬越えるまでは、咳が止まっても治療したほうが良いとする考え方もあります。
治療を中止した後、再燃した場合には、速やかに治療を再開することが大切です。