メトトレキサート(MTX)
関節リウマチの内服薬はいろいろありますが、メトトレキサート(MTX)がゴールドスタンダードと言われています。
世界中のさまざまなガイドラインで、MTXを使える方には、まずMTXで治療を行うことが推奨されています。
日本リウマチ学会のHPでも、「現在使用できる抗リウマチ薬のなかで、最も高い有効率、継続率、関節破壊進行抑制効果を有し、生活機能の改善と生命予後改善効果をもっています」と記載されています。
商品名はリウマトレックス、メトレート、メトトレキサートです。
MTXの注意点は、関節リウマチ治療における メトトレキサート(MTX) 診療ガイドライン 2016年改訂版【簡易版】に簡潔に記載されています。
その中から、特に重要な点だけを抜粋してみましょう。
内服方法は少し変わっていて、週1~2日だけ飲みます。1カプセルが2mgで、まず週8mgから開始することが多いです。その場合、以前は
(水曜日朝2カプセル、水曜日夜1カプセル、木曜日朝1カプセル)
のように、3回に分けて飲むこととされていました。
が、最近では週1回で、まとめて飲んで良いとされています。
最大量は週16mgですが、16mgでも1回で飲んでしまって大丈夫です。
けれど1回でまとめて飲むと、胃が痛い、微熱が出るなど体調不良を感じる方がいらっしゃるので、週1日で朝と夕方の2回に分けて処方することが多いです。
MTX8mg/週以上内服する方には、フォリアミン5mgを、MTX最終投与後24〜48時間後に投与します。フォリアミンを併用することで、肝機能障害、消化器症状、口内炎の予防・治療および治療の継続に有効とされています。
MTXで注意すべき副作用は、骨髄障害、間質性肺炎、感染症、リンパ増殖性疾患です。
MTXで治療できない方(禁忌)は、妊婦、MTX成分に対する過敏症、胸・腹水を認める方、重大な感染症、血液・リンパ系・ 肝・腎・呼吸器障害を有する方です。
B型肝炎ウイルス既往感染(HBs抗原陰性、HBc抗体またはHBs抗体陽性)の方でMTX投与中の再活性化が報告されているので、ガイドラインに従った注意深いモニタリングが必要です。