喘息診断の目安

台風13号が千葉県・房総半島に接近中です。一時、進む速度が時速10キロ未満になり、ゆっくりと北上しているようです。災害や交通機関への影響が心配です。

 

夏風邪がはやっていて、激しく咳込む方も来院されています。
今回は、喘息についてまとめてみます。
喘息の定義は、「気道の慢性炎症を本態とし、臨床症状として変動性をもった気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)で特徴づけられる疾患」です。
喘息は多様な病態を含んでいるため、明確な診断基準はなく、下記6項目の診断の目安が提唱されています。

1.発作性の呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳(夜間、早朝に出現しやすい)の反復

症状を繰り返すというのがポイントです。
喘息の発作は夜から朝方にかけて悪くなることが多いのが特徴です。夜になると気管支を広げていた交感神経も休み気管支が狭くなってきます。このため夜明けから明け方にかけて息苦しくなったり、胸が重くなったりすることがあります。
気管支喘息の悪化は秋に最も多く、次いで春に多いことが知られています。季節の変わり目の気温差は気管支喘息の誘発因子とされています。

2.可逆性の気流制限

喘息では気管支が狭くなるため、空気の流れが制限され、呼吸機能検査で最初の1秒間に吐き出す空気の量が減ります。

3.気道過敏性の亢進

喘息では気管支の炎症があるため、様々な刺激に対し過敏になり咳や痰が出ます。

4.アトピー素因の存在

アトピー型喘息は小児に多い喘息のパターンの1つですが、ダニ、ハウスダストやゴキブリといった特定の抗原に対し、IgE抗体が増えていることがあります。
大人ではIgEが増えていない非アトピー型喘息が多くなります。

5.気道炎症の存在(通常、好酸球性)

呼気NO濃度22ppb以上ならば、喘息の可能性が高く、37ppb以上であれば、ほぼ確実に喘息と診断できるとされています。

6.他疾患の除外

鑑別すべき疾患として、上気道および中枢気道疾患、COPD、心不全、薬剤性咳嗽などがあります。

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