ダニ舌下免疫療法(ブログ)
5月にスギ舌下免疫療法(ブログ)について書きましたが、今回はダニについて書きます。
アレルゲン免疫療法とは、アレルギー疾患の原因である「アレルゲン」を少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を治したり、長期にわたって症状をおさえる可能性のある治療法です。
現在のところ、日本ではスギとダニに対する舌下免疫療法が行われています。
ダニ舌下療法の方がスギ舌下よりも1錠あたりのアレルゲン量が多いため、副作用の率が高いと言われています。
臨床試験でスギ舌下の副作用出現率は14%、ダニ舌下は65%でした。
海外では、ブタクサやカモガヤの舌下免疫療法も行われているそうです。
治療開始前に、ダニアレルギー性鼻炎と確定診断する必要があります。
ダニの場合、いつからでも治療を開始できます(スギの場合、スギ花粉が飛散している時期は、新たに舌下免疫療法を開始することはできません)。
治療開始後はアレルギー症状の有無にかかわらず、毎日、3~5年にわたり継続して服用する必要があります。
ダニアレルギー性鼻炎に対する治療薬は、現在のところ2015年11月に販売開始されたアシテア錠と、同年12月に販売開始されたミティキュア錠の2剤だけです。
2剤の違いは・・・
◆アシテアはミティキュアより抗原量が5.7倍多い
◆添付文書上の副作用はアシテアの方が多い
◆ミティキュアの方が溶けやすい
◆舌下で溶かす時間は、アシテアは「完全に溶解するまで」、ミティキュアは1分
◆薬価は、アシテア190.3円、ミティキュア189.4円
・・・現在のところ、2剤間で効果の優劣は不明ですので、抗原量の濃度が低く、溶けやすいミティキュアを、通常お勧めしています。
アシテアをご希望される方には、アシテアで治療いたします。
その他の主な注意点は下記の通りです。
●当院での治療対象年齢:中学1年生以上~64歳以下
●舌下前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴を避ける(えー無理とおっしゃる方が多いです)
●アナフィラキシーなど、重篤な副作用につき十分ご理解いただける方に限ります。
●最初の1回めの投薬はクリニックで行い、その後30分間クリニックで経過を見させて頂きます。
●治療中は、月1回は受診していただきます。
●すべての方に効果が期待できるわけではないことをご了解いただきます。