ステロイド点鼻
スギ花粉症のブログで、
くしゃみまたは鼻漏、鼻閉の症状に分けて重症度を判断します。
次に、症状と重症度に応じて治療を選択します。
と、以前書きました。
鼻症状には、症状に応じた内服薬または、鼻噴霧用ステロイド薬を処方します。
鼻噴霧用ステロイド薬は、スプレー式のアラミスト、ナゾネックス、フルナーゼ、
またはパウダー式のエリザス点鼻を処方することが多いです。
ところが、これらの鼻噴霧用ステロイド薬を「使っても効かない、市販の点鼻薬の方が効くので、ドラッグストアで買って使います」とおっしゃる方がいます。
ドラッグストアの点鼻薬は、血管収縮薬が入っているため、鼻づまりにはとても即効性があります。
鼻は細い血管(毛細血管)が多く、毛細血管を収縮することで、鼻の腫れが小さくなって鼻づまりが楽になるのです。
けれど、一時的に鼻粘膜の腫れをとっているにすぎません。
血管収縮剤の効果は短く、効果がなくなるとまた鼻づまりを起こします。
つまるから、さらに点鼻薬を使います。
このように、鼻づまり点鼻薬は点鼻薬依存を起こしやすく、使い続けると鼻の粘膜が分厚く腫れあがったような状態になります。
最終的には点鼻薬が効かなくなります。
この症状を薬剤性鼻炎といいます。
一方、鼻噴霧用ステロイド薬は即効性はなく、効果を実感するのは7日~14日後と言われています。
また、多くの方が
●花粉症の症状が出てから使う
●花粉症の症状が出ているときだけ使う
という使い方をしています。
そのような使い方ではなく、連続で使い続けないと十分な効果を発揮しません。
この治療の考え方は、喘息または咳喘息のステロイド吸入薬と同じです。
症状が出た時だけ治療するのではなく、症状が出ないようにするため、常に炎症がない状態に保つための治療がとても大切です。