新型コロナウイルスに対するIgM&IgG抗体検査(抗SARS-CoV2)
6月8日(月)から新型コロナウイルスに対するIgM&IgG抗体検査(抗SARS-CoV2)を開始します。
抗体検査は、「過去に新型コロナウイルスに感染したかどうか」が分かる検査です。
採血検査を行い、約4日後に結果が判明します。
自費で4500円です。
新型コロナウイルス抗体検査をご希望の方は、お電話または受付でお申し込みください。
「現在新型コロナウイルスに感染している可能性のある方」に抗体検査を行う意義は乏しいので、抗体検査は発熱や風邪症状がない方に限らせていただきます。
新型コロナウイルスの検査は、大きく分けて二つあります。
(1)ウイルスそのものの存在を確認する検査で「現在新型コロナウイルスに感染しているかどうか」が分かります。
もう一つは、(2)ウイルスに対する抗体を測定する検査で「過去に新型コロナウイルスに感染したかどうか」が分かります。
(1)まず、ウイルスそのものの存在を確認する検査として、抗原検査とPCR検査があります。
抗原検査は、ウイルスに特有の物質とくっつく物質を用いて検査を行い、数分で結果がでます。
PCR検査は、ウイルス遺伝子の特徴的な一部分を切り取り連鎖反応で増幅させる検査です。結果がでるまで数時間から1日かかります。
今のところ、抗原検査はPCR検査より正確性が劣るため、抗原検査はPCR検査の前に行うスクリーニング検査としての位置付けです。
抗原検査で陽性と判断された方は新型コロナウイルスに感染していると判断できるとされてます。
陰性の方は感染を否定出来ないため、症状に応じて必要ならPCR検査が行われます。
(2)次に、ウイルスに対する抗体検査についてです。
抗体とはウイルスが体内に入ってきた時にウイルスを体内から除去しようと身体が作り出すタンパク質です。
新型コロナウイルスに対する抗体についてはいまだ不明な点が多く、臨床的な意義については確定していません。
一般的にウィルス感染後、1週間ほどでIgM抗体が産生され、約2週間後にはウィルスと親和性の高いIgG抗体が出現し、ウィルスの消失する感染者が増加するとされています。
したがってウイルスに対するIgM抗体が陽性であれば、感染直後の可能性があり、IgG抗体が陽性であれば、すでに感染を克服している可能性が高いと思われます。
中和抗体は、抗原(細菌やウイルス)の周りを取り囲んで毒になる部分をおおい隠し、抗原が細胞に感染できなくなったり、抗原が作り出す毒素も中和します。新型コロナウイルスに対する抗体が、この中和抗体の作用を有しているかは判明していません。
当院で測定できる抗体はIgMとIgGの両方を合わせて測定する方法であり、IgMだけ(またはIgGだけ)を測定できません。
当院で測定できるのは、(2)の抗体検査で「過去に新型コロナウイルスに感染したかどうか」を調べる検査です。
検査会社(SRL)にて、ロシュ・ダイアグノスティックス社(スイス)のElecsys Anti-SARS-CoV2試薬を用い、ECLIA法(電気化学発光免疫測定法)で測定されます。
上記のように新型コロナウイルスに対する抗体を測定する意義はまだ確定していません。
そのうえで下記のような方は、抗体検査を受けてみても良いかもしれません。
★元気に過ごしていたが、新型コロナウイルスに感染しても無症状のこともあると聞き、心配な方
★以前風邪症状があったので、それが新型コロナウイルスだったか知りたい方
現時点では、新型コロナウイルスの抗体検査でわかるのはあくまでも「感染したことがあるかどうか」だけです。抗体が陽性であっても、新型コロナに再び感染するリスクが少ないという保証はありません。
新型コロナ患者32名のうち、発症後13日以上でIgMもしくはIgG抗体が31名(96.9%)で陽性だったとの報告があるため、発症後2週間以上経ってからの検査をお勧めします。
また発熱や風邪症状があり新型コロナ感染が疑われる方は、従来通り大和市医師会によるPCR検査を予約します。
「現在新型コロナウイルスに感染している可能性のある方」に抗体検査を行う意義は乏しいので、抗体検査は発熱や風邪症状がない方に限らせていただきます。