風邪の時のリウマチ治療
インフルエンザA型が流行っています。
話題の新薬ゾフルーザの処方が多過ぎて、近隣薬局に在庫がない場合もあるようです。
風邪、インフルエンザなど感染症にかかった時、リウマチ治療はどうすれば良いでしょうか。
まず、リウマチ治療のゴールドスタンダード、メトトレキサート(MTX)です。
感染症の程度が軽ければ、通常通り内服を続けていただいて構いません。
しかし、症状が重く肺炎が疑われる時、たとえば38℃以上など熱が高めである場合、咳がひどい場合、呼吸困難がある場合などは、内服を中止(スキップ)しましょう。
1~2週間程度でしたら、MTXをスキップしても、リウマチが悪化することは通常ありません。
生物学的製剤(バイオ)は免疫を抑える作用が強力です。
感染症があるときは、風邪であってもスキップすることを考えます。
ステロイドも免疫を抑制するので感染症を悪化させうる薬剤ですが、関節リウマチで使用される量が少なめであること(たいていはプレドニン5mg/日以下)、急に中止するとステロイド枯渇・不足となって、かえって全身状態が悪くなることもありますので、毎日の服用は続けていただいて構いません。
風邪、インフルエンザに限らず、膀胱炎、帯状疱疹、蜂窩織炎などの感染症の場合も、上記のように対処しましょう。
判断に迷う場合は早めに受診して頂き、レントゲンや血液検査を検討し、必要であれば抗菌薬治療を受けましょう。
参考
●メトトレキサート服用の注意 大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学
●メトトレキサートを服用する患者さんへ 第2版 日本リウマチ学会